宅地建物取引士 宅地建物取引業

宅建業免許 事務所要件について

宅地建物取引業の免許制度は、そもそも悪徳不動産業者から素人の不動産購入者を守るという性悪説に立っていることから、様々な要件を事業者に課しております。

中でも、宅建業者の事務所や営業所には、厳しい要件を課しており、今回はその内容を詳細に見ていきます。

事務所に設置が必要なもの

宅建試験で学習された方も多いと思いますが宅建業者の事務所には、次の5つのものをそれぞれ備えなければならないと定められています。

・標識の掲示 → 宅地建物取引業者票のこと
・報酬額の掲示 → 業者票の横に報酬表を掲示している事務所が多い
・宅建士の設置 → 成人の専任の宅建士を5名につき1名以上設置
・帳簿の備付 → 取引の都度、取引の詳細を記録しなければならない。
・従業員名簿の備付 → 従業者名簿の他に従業者証の携帯義務あり

ここまでは皆さん宅建試験で学習するのですが、どのようなモノが事務所として認められるか?については試験に出ないので、ご存じない方が殆どです。

ここでは、宅建業で求められる事務所要件をモノ的側面から整理してみたいと思います。

宅地建物取引業の免許審査の実務上の運用がどのようになっているかを見てみましょう。

事務スペース

常識的に代表と専任の宅建士の他、宅建業に従事する従業員の執務スペースがなければ不自然です。

これは常識的範囲の中で審査の対象となっているようですが、次の応接セットや固定電話ほど厳しく運用されていない傾向があります。

よく「コピー機やFAXが必要か?」というご質問を受けますが、免許上は不要です。

少し話はそれますが、実務上は、FAXはあったほうがいいです。不動産業者のやり取りは未だにFAXを使っている業者さんも意外に多いことから、FAX付きコピー機や電話・FAX併用の機器を当初から購入されるのをおススメします。

応接セット

事務スペースの中で最も神経質に審査されるモノが応接セットです。

宅建業をBtoBビジネスとして参入する事業者からすれば、「事務所にお客さん来ないよ」という現実感があるとは思いますが、免許審査上は、「専用事務室内でお客様を接客すること」という大前提で審査されるため、当該応接セットの設置はマストとなります。

応接セットは、最低限として机1つと椅子2脚が必要です。それ以上は、実際のビジネス運用上必要か否かで判断するとよいと考えます。

応接セットというと、銀行や大企業で見られる高価な革張りのものをイメージされる方も多いと思いますが、簡素なもので十分です。

なお、賃貸専門業者で見られる事務机との併用パターンでも最近は免許が下りる傾向にあります。

固定電話

携帯電話でビジネスを行うことが常態化している中であっても、宅建業の免許審査では「固定電話」が必要となります。

この固定電話を軽々しく考えないでください。

よく、「固定電話器だけ準備すればいいですか?」と質問をたまに頂きますが、ダメです。

当然、固定電話というモノと、固定電話番号が必要となります。

実際あった話として、携帯電話のように見える固定電話の子機のような固定電話を設置して申請を行った際、審査官から「これは携帯電話のように見受けられるが、固定電話でないのではないか?」と確認が入り、「当該電話は、可動式の電話であるが、携帯電話などのように衛生電波を受信できるものでなく、事務所スペースの外で通話ができるものでない。」と回りくどい説明をして納得してもらったというケースもあるぐらいです。

事務所の表札

専用室の入り口、ポストにそれぞれ会社名(個人業者の場合は屋号)を記載した表札を掲げる必要があります。

法人の場合では正式な会社名をフルで掲示する必要であり、法人では屋号ではダメですが、個人業者の場合、屋号を掲示することになります。

ここでの表札とは、宅建業法で定められた標識でなく、「株式会社〇〇〇〇」という社名を掲示する必要があるということです。

見落としやすいポイントなので、注意してください。

本店は常に「宅建業法上の事務所」となる

「本社以外に支店を設け、支店だけで宅建業を行いたいので、支店だけ事務所要件を満たせばいいか?」「たまたま空いている事務所が本店以外にあるので、そちらで宅建免許取れるか?」という質問を頂くことが多いです。

残念ながら、宅建業法上の本店において、宅建業を営んでいない場合においても、本店は常に「宅建業法上の事務所」となります

考え方としては、本店には経営・人事・総務機能があり、支店を管理することが前提となっていることから、このような運用になっております。

上記の質問のように、支店のみで宅建業を行おうとすると、本店も自動的に「宅建業法上の事務所」とされるため、冒頭で説明した各種設置義務を満たす必要が出てきます。

実務上、専任の宅建士の設置義務が本店サイドにも発生することに頭を痛める経営者の方を多く見てみましたが、制度なので仕方ありません。

一方で子会社を設立して、子会社の本店(本社)だけで宅建業を行う場合は、当該子会社の本店(本社)だけで宅建業の事務所とすることが可能となります。

宅建業を子会社方式で行う事業者が多いのはこのような理由があるからです。

審査は書面による審査

宅建免許審査に当たっての事務所要件の審査は書面審査です。

ここでは、説得力のある写真を添付して説明しなければ、審査官から免許交付まで何度も説明を求められ役所の窓口を往復することになります。

どこをどのようにどのような角度からというのも細かく実務運用上は決められており、宅建免許のツボを押さえた行政書士に依頼して時間短縮を図ることをおススメいたします。

いかがでしたでしょうか?
宅建業の免許に必要とされる事務所には、様々な観点からの検討が必要です。

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