不動産書籍紹介

おススメ書籍 【不動産の評価・権利調整と税務 】

書籍タイトル 令和元年10月改訂 不動産の評価・権利調整と税務

書評

昭和53年(1978年)の初版発行から毎年改訂を繰り返してきた不動産業界の辞書

不動産会社には必ず一冊ある分厚い本ですね。
1000ページを超える電話帳みたいな本です。

不動産コンサルティング業務に従事する方は、この本が一冊あれば、取りあえず何とかなります

まず、個人向け業務で相続関連業務に従事している士業の方にとっては、必携の本であると思います。

税理士の方は、各税務に精通しておられるはずなのでさておき、例えば司法書士、行政書士、不動産鑑定士などの不動産税務周辺で生きる士業にとっては、不動産税務の知識を知らなければそもそもコンサルティングの土俵に登れないことになります。

税務のややこしいところは、個人の場合は所得税、相続税、法人の場合は法人税と体系が分かれていることです。

個人向けの不動産コンサルティングの中で最も複雑とされる相続税対策を顧客に提案するには、不動産に関する税務知識なしでは全く歯が立ちません。

一方で、不動産会社に勤める方が権利関係の入り組んだビルの建替えを提案する際には、床の配分問題に加え、それぞれの事業関係者の税務までが守備範囲となり一筋縄ではいきません。

結局のところ、不動産は税務の塊みたいなものであるため、税理士や会計士以外でも税務から逃れることができないのです。

このような厄介な問題について、何らかの手がかりが本書の中に必ずあるはずです。

著者の鵜野先生は、不動産鑑定士であり税理士であります。
昭和5年(1930年)生まれの方であり、正に昭和から平成、令和の時代で活躍し続けた正に「不動産業界の生き字引」です。

著者の鵜野和夫先生の経歴

鵜野和夫
1930年東京に生まれる。1955年一橋大学社会学部卒業。1961年フジタ工業株式会社(現・フジタ)入社。経理、原価管理、PC工場経営、住宅販売、都市開発等の業務を担当し、1983年3月同社退職。不動産鑑定士・税理士事務所を開設。東京税理士会・税務会計学会常任委員、(社)日本不動産鑑定協会調査研究委員会小委員長・同東京会幹事・実務相談室委員長・研修委員会委員、国土庁土地鑑定委員会鑑定評価員、日本大学、新潟大学等の非常勤講師などを歴任。現・資産評価政策学会監事、日税不動産鑑定士会研修委員長。不動産鑑定士・税理士

税制や法令が変わるたびに40年超もの間、内容を更新してきたというのが凄くないですか。
税制は毎年のように変わるので、この本も数度買い替える必要があります。

常に最新版が手元にないと不安になったということは立派な不動産のプロフェッショナルと言えるでしょう笑

正直に申し上げると、私自身この本を全部読んでいません。というか分厚過ぎて、しかも内容が濃すぎて読めません。

読むというより、不動産の辞書として利用する本というのが私の利用方法です。

不動産コンサルタント必携の本。

本書の構成
第1編 一般の土地売買の時の評価と税務のコンサルティング
第1章 妥当な土地価格をコンサルティングするために、どのように土地を評価し、当事者に納得させるか
第1節 土地評価に公示価格を利用できるか。そして公示価格とは
第2節 公示価格等を利用して、土地評価をする簡便法を会得する
第3節 相続税路線価等および評価通達付表を利用して、土地評価をする簡便法を会得する
第2章 土地・建物を買う人や贈与・相続を受ける人への税金のコンサルティング

第1節 土地・建物の取得に関する贈与税・相続税対策のさまざま
第2節 土地取得に関する印紙税・登録免許税・不動産取得税・固定資産税・都市計画税・消費税
第3節 住宅を新築したり、住宅を購入した場合には、「住宅ローン控除」の適用で、税額が安くなる
第4節 非居住者や外国法人からの土地・建物の購入には源泉徴収

第3章 土地・建物を売る人への税金のコンサルティング
第1節 所得税の構造を明らかにし、そのなかで、土地・建物の譲渡は、どのように取り払われているかを把握する
第2節 土地・建物の譲渡所得と税金の計算の仕方
第3節 特別の場合で土地・建物の譲渡に関する所得税が軽減される場合
第4節 土地・建物の譲渡が事業所得・雑所得になる場合

第2編 借地に関する種々の権利とその評価と税務
第5章 借地権とはどういうものか、借地に関して、どういう権利関係があり、それらの価格はどうなっているか
第1節 借地権とこれをめぐる権利調整
第2節 借地権以外の土地使用権

第6章 借地に関連して、どのような税金が課せられているか。そしてその節税方法は
第1節 借地等をめぐる税務は
第2節 親族・同族会社等の特殊関係者間の借地の税務

第3編 建物を建築して土地を利用するときのコンサルティング
第7章 貸アパート、貸マンション、貸ビルのコンサルティング
第1節 貸アパート・貸ビル等の事業計画と税務
第2節 貸家と借家権の法律と評価
第3節 マンション・ビル等を建設して賃貸したときの相続税

第8章 共同ビルの基本形態、運営、権利調整、評価、税務のコンサルティング
第9章 等価交換方式による賃貸マンション、ビルの権利調整、評価と税務のコンサルティング

こんな人におススメ

・不動産関連事業者全般
・不動産関連ビジネスに携わる士業の方

書籍データ

書籍タイトル 令和元年10月改訂 不動産の評価・権利調整と税務
出版社 清文社
著者 鵜野和夫

令和元年10月改訂 不動産の評価・権利調整と税務

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