書籍タイトル 建築MAP東京mini
書籍タイトル 建築MAP東京 mini〈2〉
書評
不動産業に従事する楽しみの一つとして、様々な建築物に触れられることでしょう。
文系学部卒業生で、建築の門外漢であっても建物を見て、ああだこうだ議論するのは本当に楽しいものです。
真っ更な土地を見ても不動産としての顔があまり見えませんが、建物には、真面目そうだったり、尖がっていたり、威容を誇るものであったりとワクワクするような「表情」があります。
経済的合理性が求められるオフィスビルや居住空間内の快適性が重要なマンション、戸建て住宅などは、効率性が追求されることから外観は画一的なものが多いですね。
更に、日本は地震大国であることからスクラップアンドビルドのサイクルが短く、建物は使い潰すという発想のものが多い傾向があります。
更に更に言えば、都市計画法や建築基準法などの規制により奇抜な建物が作りにくいという制約を受けるのが日本の建築とも言えます。
東京圏には、このような大きな制約がありながらも建築士や設計事務所によるデザインを凝らした建築物も多くあります。
今回紹介するのは、建築マップの老舗的存在である「東京建築MAP」とその第二弾の「東京建築MAP2」です。
「建築MAP東京」の当初の出版は1994年であり、その後2003年に改訂版が発行されており、改訂版の発行の直後の2003年8月に「建築MAP東京2」が発売されています。
既に初版の発行から20年以上経過していますが、東京における現代建築の玉手箱のような本です。
まず、見ていてワクワクします。
その後、東京で大好評となった建築MAPシリーズは建築MAP京都、建築MAP大阪/神戸、建築MAP横浜・鎌倉と続けて発売されていきました。
単なるMAPでなく、現代建築の作品解説や建築家の解説などが挿入されており、建築を勉強しようという方にとっても読みごたえのある書籍です。
この本の面白いところは、巨大な建築物以外にも特徴のある戸建住宅や商業店舗などを丁寧に拾い上げているところです。
こういうところにこの本の編集者のセンスを感じます。
私が持っているのは、通常版の縮尺1万分の1のものですが、重厚感があり相当嵩張る難点があります。
例えばMAP1、MAP2を持ち歩くと、それだけで相当な重量になってしまうことになり、建築散歩自体ヘトヘトになってしまいます。
そこで、重いのを何とかしてくれ!という要望に応えたのが縮尺1万5000分の1のポケット版の「Mini」です。
コンテンツは通常版と同じとのことですので、これから買う人はMiniをおススメいたします!
Mini版は、書店で見たことがあるのですが、字が相当小さいのが難点かもしれません笑
やはり、通常版のあのデカさと重量を考えると絶対にMiniがおススメです!
不動産関連の仕事に従事する方でも、カバンにMAPを忍ばせて物件実査の際に近くの建築を眺めていくという仕事に華を添えることもできると思います笑
なお、ソニービルなど既に取り壊されてしまった建築物もあるので現地に行ってみたら無かった!ということもあり得るのでご注意ください。
出版社はトイレで有名なTOTOの関連会社である「TOTO出版(※)」
※乃木坂に直営のBookShopがあります!
BookShop TOTO
建築マニアの方は是非足を運んでみてください!
こんな人におススメ
・建設不動産業界へ就職を考える学生さん
・建築マニアになりたい人
書籍データ
出版社 TOTO出版
企画編集 ギャラリー・間