書籍タイトル [用途別]建築法規エンサイクロペディア 改訂版
書評
建築関連専門の出版社エクスナレッジによる建築関連の辞書「エンサイクロペディア」
建築関係者、設計関係者はもちろんのこと、不動産関連従事者や許認可申請実務を行っている行政書士などの士業にとっても有用です。
この本の特徴は、複雑に絡み合った建築法規がアセットタイプに細かく整理されていることです。
更に細かさに加え、表や図などを交え分かりやすく提示しているというのももう一つの特徴です。
この本の凄いところは、その網羅性はもちろんですが、アセットタイプごとの関連法規を細かく整理していることです。
例えば、フィットネスクラブ・スポーツクラブの項目を見てみましょう。
次のように整理されています。
例)フィットネスクラブ・スポーツクラブ
機能によるタイプ分類
用途によるタイプ分類
施設形態によるタイプ分類
規模によるタイプ分類
・関係法令
建築基準法
消防法
東京都建築安全条例
プール等取締条例
公衆浴場法
飲食店の営業許可
児童福祉法の認可外保育施設
・立地規制
用途制限
・単体規定
主要構造
防火区画
内装制限
排煙設備
避難規定
・消防設備規定
サウナ施設設置の場合
採温室設置の場合
・その他関連法令による規定
プール規制条例
公衆浴場法
騒音防止条例
食品生成法
児童福祉法
バリアフリーに関する条例
緑地に関する条例
・設計・申請のチャックポイント
調査・基本設計
申請・届出
もう十分なぐらいの網羅性だと思いませんか?
例えば、建物プランニングの当初、様々なアセットタイプによる所謂「最有効使用」の検討をするケースを考える場合において、まずどのような法令上の制限があるのか?条例はどうなっているのか?他の用途との手続きの違いは?などを横断的に検討する必要が生じてきます。
また、既存建物の物的調査の際においても関連法令の遵法性や許認可取得の有無、届出等の要否などを調査する際において、十分に威力を発揮します。
特に、オフィスビルや共同住宅以外の特殊アセットの売買、仲介の際における宅地建物取引業者の重要事項説明の際にも有用であると考えます。
更に、本書の後段には、都市計画法、建築基準法はもちろん、建築に深く関連する消防法との関連性について詳細な解説がなされています。
あれっ?どうだったっけ?と思ったら辞書替わりに引くと、答えがあるはずです。
特殊アセットを取り扱う可能性のある不動産仲介会社、デベロッパーの担当者には、一人一冊必要な本だと考えます。
1 用途別“建築関係法規”ファイル(住宅
事務所
駐車場
物販
展示 ほか)
2 基本“建築法規”ファイル(法体系と確認申請等
開発許可
集団規定
単体規定
福祉規定 ほか)
こんな人におススメ
・不動産投資家
書籍データ
出版社 株式会社エクスナレッジ