書籍タイトル リアルイラストでスラスラわかる建築基準法[増補改訂版] (建築知識の本)
書評
「建築知識」の出版社エクスナレッジによる建築基準法入門本。
私自身、コテコテの文系であり、不動産のプロを称しつつも実は建築関係の知識に非常に疎いという後ろ暗さがあります笑
宅建や不動産鑑定士の資格試験でも都市計画法や建築基準法の法規については学習しましたが、「文字」だけで学習するため全くリアリティがないまま実務の現場に投入されていきました。
しかしながら、建築関係の知識をまともに勉強するのであれば、建築士の資格の勉強をするか?というと正直それはやりすぎと言えます。
あまり建築関係の知識については疎いまま放置してこれまでやってきたというのが正直なところです。
そんな後ろ暗さを抱えながら出会った本がこの本です。
イラストを中心に編集されており、不動産屋として現地で何を確認すべきか?が直観的に理解できます。
文系大学を卒業してデべに入社したが、ゼネコンのオジサンとの会話が噛み合わないという人にはもってこいの本です。
Part1 用途
Part2 道路
Part3 建蔽率・容積率
Part4 高さ制限
Part5 防火
Part6 避難
Part7 防煙・排煙
Part8 居室
不動産業界の面白いところは、文系と理系出身関わらず、それぞれの専門性を発揮できるという総合格闘技的な側面があることです。
理系的な知識の代表として建築設計分野がありますが、大手のデベロッパーの中でも建築知識に精通した人はかなり希少です。
理系大学も学際の細分化が進んでいることから、広範囲な建築知識を習得する機会が少ないというのが現状ではないでしょうか。
一方で、文系大学卒業者の殆どは、宅建試験で初めて建築基準法という法規の中身を知るというパターンが殆どでしょう。
法学部や経済各部出身の人が建築基準法を知っていたら逆に怖いですね笑
宅建試験や不動産鑑定士試験で出てくる試験問題は、殆どがテキストデータであり、ビジュアルがあっても貧弱なものが多く、リアリティを持たないまま試験を受験して、何となく合格するというのがオチでないでしょうか。
入社後において、デべ部門に配属されたり、仲介部門に配属された後に最低限の建築知識が要求されます。
例えば、仲介業者が作成する重要事項説明書でも、建築知識を理解して作成している人は実態としては少ないというのが実感です。
せっかく、不動産業界に入ったのですから、建築のイロハぐらいは知識として習得しておいたほうが業務の幅も広がるというものです。
しかし、ここで問題が、、、
建築知識関連の本は、どれもお堅い本が多く、読む気になれないモノが殆どです。
しかも文字がずらずら並んでいる本を読んでも、全く頭に入らないですし、その前に楽しくありません。
こんなニーズに最も合致した本がエクスナレッジから出ているこの本です。
エクスナレッジは、月刊誌「建築知識」を出版する出版社であり、本自体のデザイン性、取り上げるコンテンツのセンスなど抜群の出版社です。
「リアルイラストでスラスラわかる建築基準法」に挿入されているイラストもデザイン性が非常に優れており、これ以上の分かりやすい建築本は他で見たことがないです。
超絶おススメです。
一つだけ難点を言えば、デカい本なので、カバンに入れにくいことです笑
こんな人におススメ
・住宅デべに入社したが、土地のプランニングの際の基礎知識がなく不安
・宅建試験や不動産鑑定士試験の受験生であるが、文字だけのテキストが飽きた
・デべ新入社員だが、ゼネコンや建築士のオジサンと渡り合いたい
・防火地域と準放火地域の違いが具体例を用いて説明できない、、、
・防火区画ってそもそも何?
・デべや不動産会社の中でとにかく一目置かれたい
書籍データ
出版社 エクスナレッジ
著者 ユーディーアイ建築検査