書籍タイトル ホテルとゴルフ場の評価実務のすべてがわかる本
書評
事業用不動産、すなわち「オペレーショナルアセット」の鑑定評価とオフィスビルや賃貸マンションなどの賃貸用不動産の鑑定評価の端的な違いは、事業分析の必要性の有無です。
オフィスや賃貸マンションでも賃貸マーケットの分析は必須ですが、これらの賃貸用不動産の賃料は一定程度の相場の把握が容易なものが多いです。
一方、事業用不動産に関しては、賃料の相場というのが見出しにくく、そのアセットの運営によって得られる事業収入から不動産に帰属する適正な収益を配分していくことが必要となります。
本書は、オペレーショナルアセットの鑑定評価の先駆けともいえる書籍であり、ホテル及びゴルフ場に焦点を当てて実務の観点から詳細に解説したものです。
著者は、元日本不動産研究所、現大和不動産鑑定の船越毅氏であり、オペレーショナルアセットの評価に関しては専門家中の専門家と言える方です。
本書の出版は2008年とやや古いですが、オペレーショナルアセットの評価の基本的考え方は今となっても全く変わりません。
最近は、ゴルフ場の鑑定評価の件数は全体的に減少傾向にある一方で、ホテル特化型のREITの登場やインバウンドマーケットの拡大によりホテル売買マーケットが増加傾向にある状況となっています。
本書で面白いのは、レジャーホテルの評価まで言及しており、少し古いデータであるものの十分に参考になります。
鑑定評価先例データも記載されていることから、これからホテルの鑑定評価を行う不動産鑑定士の方には有益な情報を提供してくれます。
これまで私が見てきたオペレーショナルアセットの評価に関する書籍の中で、本書を含めて「オペアセ三部作」を合わせてご紹介させていただきます。
是非、参考にしてみてください。何らかの手掛かりはこの3冊にあるはずです。
ご参考書籍1
ご参考書籍2
ご参考書籍3(本書)
第1章 ホテル(ホテルとは
ホテル投資マーケット
ホテルの事業特性
ホテルのデュー・デェリジェンス ほか)
第2章 ゴルフ場(ゴルフ場の歴史と日本のゴルフ場
ゴルフ場の投資マーケット
ゴルフ場の事業特性
ゴルフ場のデュー・デェリジェンス ほか)/div>
こんな人におススメ
・不動産投資ファンド、AM会社の物件取得担当者
書籍データ
出版社 住宅新報社
船越毅 (著)
ホテルとゴルフ場の評価実務のすべてがわかる本
※アマゾンでは中古品しかないようです、、、