書籍タイトル 住宅・不動産業 激動の軌跡50年
書評
デベロッパーや大手不動産会社で勤務している人が毎日必ず目にする「日刊不動産経済通信」
あの毎日回覧で回ってくるB5横型ホッチキス止めの日刊紙です。
不動産営業マンの会話ネタの殆どがこの不動産経済通信が元ネタになっているケースが多いのでないでしょうか?
この不動産経済通信を発行している会社が「不動産経済研究所」という老舗の出版社です。
不動産経済研究所は、創立が昭和39年と老舗中の老舗であり、今や出版社というより社名の通り不動産業界の一大シンクタンクのような存在となっている会社です。
同社の歴史は、正に戦後の日本の不動産の発展の歴史そのものと言っても過言でないですね。
本書は、この日刊不動産経済通信の人気コーナー「通信週評」を時系列に取りまとめたものであり、昭和から現代に至る不動産の歴史書となっている。
「賢者は歴史から学ぶ」というように、この本を読むと今も昔と全く同じだな~と感じることが多いです。
例えば、五輪不況のくだり
現代でも確かですね笑
この本ですごいな!と感じたのは、1980年代のバブル経済の最中でも狂乱する不動産価格にアラートを出し続けていた点です。
「私は東京都心部は別として、それ以外の大都市の地価上昇は、過剰流動性と値上がりムードに対する期待からでてきた一種のカラ騒ぎに思えてならないのである。」
先見の明がありすぎる本です。
特に圧巻が1989年~1992年のバブル絶頂からバブル崩壊の過程の軌跡。
ドラマでなく完全なノンフィクションです。
不動産業界で必ず言われる「いつか来た道」という言葉を今後何回聞くことになるのでしょうか?
ページ数が500Pに及ぶ超大作なので、じっくり夏休みなどに読むのがいいかも知れません。
就活生の方だとこの本を熟読して次の通り面接で言うと、内定とれるかもしれません。
「ある不動産業界の先輩から薦められて、不動産経済研究所の住宅・不動産業 激動の軌跡50年という本を読みました。不動産業の面白さを知り、デべを目指すことにしました!」
恐らく面接官も読んでいない本なので、効果のほどはさておきです。
不動産会社で社長を目指す人には是非読んでもらいたい本です笑
第1部 高度成長~列島改造からオイルショックまで(昭和40年代)
第2部 安定成長から民活・バブル前夜へ(昭和50年代)
第3部 狂乱バブル発生、波及、そして、崩壊(昭和60年~平成6年)
第4部 失われた20年~資産デフレと都市再生、Jリート(平成7~16年)
第5部 リーマンショック、東日本大震災から、再び五輪へ(平成17年~26年)
こんな人におススメ
・不動産業界で上り詰めたい人
・不動産オタク
書籍データ
出版社 不動産経済研究所
著者 不動産経済研究所の各記者の輪番制によるもの
住宅・不動産業 激動の軌跡50年
残念ながら本書は書店やアマゾンでは購入できません。
不動産経済研究所のサイトで販売していますので、こちらをご参照ください。
https://www.fudousankeizai.co.jp/publicationCatelist?cateId=11&id=40
不動産経済研究所のオフィシャルサイト
https://www.fudousankeizai.co.jp/