書籍タイトル 建築学生の[就活]完全マニュアル 2020-2021
書評
不動産業と最も近接する業界「建築・建設業界」
不動産業界には、財閥系、電鉄系、商社系などの各企業の出自による分類と総合系、住宅系、オフィス系、商業系などのアセットタイプによる分類があり比較的シンプルです。
一方で、建築・建設業界は裾野が相当広く、一括りにできないという特徴があります。
建設業界は、ゼネコンを筆頭に、設計会社、インテリア会社、デザイン事務所、検査機関、住設会社など、全て建物に関連するものの業界が細分化されているのが特徴です。
本書は、「建築知識」を出版するエクスナレッジ社による建築業界の就活生に特化した就職マニュアル本です。
大体の業界研究本は、「間違っていないのだけれども現実感がない」というものが殆どです。
何故なら編集者自身がその業界のことに詳しくないからです。
という意味でも、この本は建築業界に特化した出版社が発行する就活本ということで、かなり詳細であり、かつ深い内容となっています。
私自身も知らない企業がかなりありました(焦)
本書の圧巻は、Part1「建築・建設業界を知る」のうちの「企業アドレス」です。
Part1の企業アドレスの項目だけ抽出してみると次の通りです。
・インテリア設計施工
・不動産デベロッパー
・建設会社
・設備工事会社
・地域工務店
・ハウスメーカー
・リフォーム企業
・住設・建材会社
・建設コンサルタント
・公益法人
地域工務店まで丁寧に拾い上げた内容となっており、巷の大企業トップダウン型の就活本と一線を画しています。
複雑に入り乱れた業界構造を知るにはもってこいの本です。
毎年8月、9月に更新して発行されているので、建築・建設業界へのエントリー前にはご一読を強くおススメします。
恐らく次回の最新号となる2021-2022は、今年の8月以降に出版となるので、急がない方は手帳にでもメモしておくとよいと思います。
既に不動産業界、建築・建設業界に就職を決めた方も今後の入社後の業界を知るという意味では、相当な知識のアドバンテージになるはずです。
注意すべきは、デベロッパーについては大手しか掲載されておらず、デベロッパー専業での就職活動を考える就活生の方には物足りない内容かもしれません。
ただし、入社後には、深く関係する業界でもあるので業界構造を知っておくには有益だと思います。
私自身、不動産業界の人材紹介業を行っていることから不動産関連業界の就活本には一応全部目を通しておりますが、これだけの圧倒的なコンテンツの本は他になかったです。
不動産業界への就職を検討される方には、新卒・中途を問わず超絶おススメです!
Part0 建築・建設業界への就職に向けて
Part1 建築・建設業界を知る
Part2 合格のためのノウハウ
Part3 キャリアアップしよう
こんな人におススメ
・不動産・デベロッパー業界への就活生
・不動産・建設業界の新人
出版社 エクスナレッジ
著者 星 裕之, 就活マニュアル委員会他