書籍タイトル 不動産証券化ハンドブック
書評
不動産AM会社の殆ど全てが加入している不動産証券化協会(略称 ARES)
現在会員は、正会員119社、準会員175社の大所帯となっている不動産証券化の業界団体となっています。
会員メンバーの顔触れを見ても、大手デベロッパー、不動産会社、REITの運用会社である不動産投資顧問会社(AM)、大手鑑定評価機関など、不動産証券化に関連するプレイヤーが集結しています。
ちなみに、ARESの現会長は、三菱地所の杉山博孝会長が務めるが、前会長は三井不動産の岩沙弘道会長が17年も務めました。
このARESが毎年更新して主に会員向けに発行しているのが今回紹介する「不動産証券化ハンドブック」です。
内容が非常にコンパクトにまとまっており、不動産証券化に関する基本論点を学習することができる良書です。
既に、ゴリゴリに不動産投資ファンド系の実務をやられている方にとっては、少々物足りないかもしれませんが、初学者から中級者の方にとっては非常に有意義な一冊と言えます。
各種スキームの意義や法改正を時系列に学ぶことができます。
今後、総合不動産会社の若手は、直接的、間接的を問わず、一度はAM関連業務に従事することになるでしょう。
知らないでは済ませられない時代が来ていますので、現在、証券化関連の知識がない方も眺めておくぐらいはやっておいたほうがいいかもしれません。
本書のハイライトは、Chapter7の「不動産証券化市場の動向」です。
J-REITは公募型のためネットを叩けば最新情報が分かりますが、私募REITはプロ市場に限定されていることからタイムリーに銘柄をウォッチできなくなってきました。
不動産証券化市場の動向について、年1回でも最新状況を定点観測して提供し続けている媒体は他にありません。
もう一つの使い方は、不動産AMへの転職先ターゲットリストにもなりますね笑
chapter1 不動産証券化概論
chapter2 金融商品取引法と不動産証券化
chapter3 不動産証券化に関する法定スキームと重要関連法令
chapter4 不動産証券化に関する税務・会計
chapter5 不動産証券化に関する投資家保護と関連規制
chapter6 不動産証券化関連サービス
chapter7 不動産証券化市場の動向
chapter8 不動産証券化協会の概要
こんな人におススメ
・不動産AM会社、PM会社への転職を考えている方
※不動産投資ファンド、AM会社の方は既に会社にあるはずです。
書籍データ
出版 一般社団法人 不動産証券化協会
書籍タイトル 不動産証券化ハンドブック
ARES会員には配布されるハンドブックですが、書店での購入も可能です。
アマゾンでは、最新号は販売していないようです。
ARESの「不動産証券化ハンドブック2019」申込ページはこちら↓
https://www.ares.or.jp/publication/title/books/handbook2019.html
ただし、購入できる書店が限られているのが難点です。
本稿執筆時点の最新号は、2019年版ですが、「不動産証券化ハンドブック」は、毎年7月に最新年度のものが発行されますので、できれば2020年の最新号を買った方がいいかもしれません。