書籍タイトル 都心小規模ビルの基礎知識(図解不動産業)
書評
住宅新報社の図解不動産業シリーズのうちの私のお気に入り書「都心小規模ビルの基礎知識」
私自身、不動産のプロを自認しているものの、建築関係や消防などのハード面の知識に滅法弱いという後ろめたさを引きずっています。
鑑定業や宅建業における現地調査の際も、現地をじっくり見ても「これ何の設備なんだろう?」と思うことが未だに多々あります。
お客様は、私が不動産のことは何でも知っているといういい意味で誤解をしていただいているので、知らないことばかりではお客様の期待に背くことになります。
そのような忸怩たる思いをしていた中、出会った本がこの「都心小規模ビルの基礎知識」です。
タイトルは、小規模ビルとなっていますが、規模を問わずオフィスビル全般の基礎知識を習得できる内容となっています。
図解なので、図がふんだんに使わており分かりやすいのは当然なのですが、記載されいている説明は「専門的すぎず、かつ、素人っぽくない」というバランスが非常にいい内容となっています。
そもそも都心では、原価となる土地が高いこと、大規模区画とするには地権者が多くなるという制約があり、敷地面積が50坪が程度の小規模ペンシルビルが多く見受けられます。
不動産の取引でも中小規模のビルは、総額感が嵩まないことから流動性は高く、仲介者の立場で案件に携わる不動産業者の方も多いのはないでしょうか?
更に、昨今、都心の小規模ビルは、コンバージョンによりホテルなどの宿泊施設に用途変更される事例も多くなってきており、不動産会社も小規模ビルの取得、開発に積極的です。
一方で、不動産会社に勤めるビル部門の方でも意外に建物の設備について詳しい人は少ないものです。
例えば、社内でビルのリーシング部門に異動したものの、宅建士試験の知識しかない!という方も比較的多いと思います。
そのような方に本書はピッタリであり、マンガや図解方式で楽しくビル設備について学ぶことができます。
ビル部門に配属されたら「いの一番」でこの本を買って読んでおくとスムーズに後の事業推進を自信持って行えると思います。
2010年の出版とやや古い本ですが、十分に役立つ一冊で超おススメです!
一つだけ気になったのが、主人公の建築士:宅美さんのファッションが昭和感満載なところでした笑
第1章 建物全般の基礎知識(建築編)
第2章 建物全般の基礎知識(設備・その他編)
第3章 法的規制について
第4章 維持管理・機能向上・コンバージョンについて
第5章 図面・書類の見方について
第6章 現地での見方について
こんな人におススメ
・仲介、PMなどでビルのソフトを扱う人
・ビルの物的デューデリジェンスの基礎を学びたい人
・建築士やゼネコンの担当者との会話についていけない人
書籍データ
出版社 住宅新報社
編者 横渕 匠
都心小規模ビルの基礎知識(図解不動産業)
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